肝臓・腎臓 排出について
次は排出系です。正直、生徒の興味はそんなに高くないと思います。でも無理矢理にでもインパクトに残る授業をしようと思っていろいろ工夫をしています。
まずは汗と尿の話。どちらもしょっぱい事はなんとなくみんな知っていました。汗の役割や尿の役割を一通り教科書などで確認し、腎臓や膀胱の説明、汗腺のお話をまとめておきます。ここに関してはあまり良い映像教材はないと思います。肝臓の部分ではいつものNHK人体の肝臓編を10分ほど視聴します。そしておもむろにポケットから取り出す謎の黄色と無色透明の液体。健康診断で使う検尿容器に入れ、いきなりの登場。授業の流れや私の性格をよくわかっている生徒は、まさかと言う顔でざわざわ。正直少しやりすぎな感はありますが、リアリティーを追求してしまいます。透明なプラカップなどに入れておいた方がまだ問題ないと思います。むしろそちらの方が良いかと…いずれにしてもおススメしません。最近はアレルギーの問題やいろいろなことがあるので生徒に味わってもらうことができなくなっています。昔は度胸だめしというか、怖いもの見たさでチャレンジしてくれる生徒さんを募集し、その味を体験させたりしていましたが、今はコンプライアンス上難しいのかなと思います。気になる成分ですが、私の目分量です。昔見た資料に尿が約3%の塩化ナトリウムと少々の尿素、汗が0.1から0.5%の塩化ナトリウムが入っていると言うものを見た記憶があります。尿の方には少しだけ黄色い食用色素を混ぜて、さらにいらないリアリティーを追求。ここまでくるとやっぱりちょっと問題があるような…ここでわかってほしいのは余計な塩分の排出ですので、簡単にスルーしてください。
時代の流れで体験的なものが制限されるのですが、6年前の授業から腎臓の断面を見せています。インターネットや資料集に載っていたものですか、腎臓(マメ)を購入し、よく洗浄し薄皮をはいだ後、輸尿管もしくは血管から青インクで着色した液体を注入し、糸球体などを着色します。腎臓は赤色から茶色をしています。なので注入するインクは緑とか青色の反対色が望ましいと思われます。不要物を腎臓で濾し取ることがわかる程度でいいと思います。かなりきつめに注入すると腎臓の表面までインクが染み渡ってきますので、なんとなく塩梅はわかります。昔聞いた話ですが、戦争に行きたくないから徴兵検査でアウトになるために醤油を飲んで腎臓病を患ったと言うエピソードがありますが、すごく納得できます。あの小さな腎臓で処理することのできる塩分量を考えると、何事もやり過ぎは体を壊す元かなと思います。お酒で肝臓や膵臓が壊れてしまうのも何となく納得。
腎臓の断面は思いっきり包丁でサクッと切っています。焼肉屋さんかホルモン屋さんの店長になりきってズバッと切っちゃいましょう。オープンすると衝撃的なビジュアルで、正直ひいてしまいます。理科教員がそう思うのであれば一般の生徒さんであればなおさらです。苦手意識を作らないように、内部の余計な汚れや気持ち悪く見えるような部分を洗浄しておくなど、ある程度見やすくしておく必要があると思います。
入手方法は大きめのお肉屋さん、もしくは食肉公社に連絡をしてください。最近発見したのですが、中華食材を取り扱うチャイナタウンなどのお店におろしている商店にはかなりの確率で取り扱いがあります。横浜中華街や川崎のコリアタウン、最近は西川口などが多国籍な街を形成していますので、そちらで入手するのもありかと思います。
とは言え、正直な話、苦労して用意したほどの手ごたえがなかったので、いつも授業の後にモヤモヤしています。私がこの分野に関して熱量がないからなのかなぁとかいろいろ悩みます。まぁ、とりあえず生徒さんが一生に一度しかできない体験を見せること、そういう環境を作ることが私の仕事だと思い。これからもがんばってやっていこうと思います。