染色体を見てみたい!
~ユスリカのだ液染色体の観察~
先に申し上げておきますが、これは中学校の内容ではありません。あくまでも発展的な学びとして捉えていただければと思います。恥ずかしい話、私が高校の授業で唯一覚えている生物の内容でした。良い状態のユスリカ(アカムシ)が手に入ればきっとうまくいくことでしょう。(教材屋さんもしくは釣具店で購入かな?冷凍物がほとんどになっています。)ただし、生き物を扱うのでいろいろな配慮をしなければいけません。
この実験をやろうと思ったきっかけは、玉ねぎの細胞分裂の観察の実験があまりうまくいかず、悶々としていました。なんかどうしても折り紙とか10円玉の実験では伝えることのできない生命のリアリティーを見せたいなと思ったからです。学校が価値あるものとしてこれからも残っていくためには、学校でなければ体験できないことをやれる場としての存在感を高めることかなと思います。「染色体」という名前は知っていても、実際に見たことが無ければ脳の中の記憶の概念に過ぎません。顕微鏡のレンズごしではありますが、自分の目で見たことが知識と結びつくことができればきっと生きた知識としてつながっていくのかなと思います。何としても実物を見せたい実験です。
実験のプリントはできるだけ簡単に作りましたが、やはりコツがあるようで私自身なかなかうまくできていません(高校の時も私のグループは全滅でした)。生徒にも実験動画を見せた上で実習を行いますが、唾液染色体の見極めが非常に難しいです。ピンセットで頭と胴体を抑え、柄つき針で体を切断するところはかなりハードです。思わず悲鳴が出ます。顕微鏡での観察も100〜400倍で染色体を探し、ピントを合わせる技術が要求されますので結構大変です。染色体とはいえ、そもそもうまく染まっていないこともありますので…
マイナスなことばかり伝えてしまいましたが、高校の生物実験では定番ですのでうまくいっている先生方の実践事例をたくさん読み込むことと予備実験が必要だと思います。赤と白のシマシマ模様が見えたときに、「ここ染まってるね。だから染色体なんだ~」という気づきがあれば最高ですね。また追記します。皆さんも頑張ってください。