動くためのしくみ 筋肉・骨格
神経のお話に引き続いて今度は体を動かす仕組み、筋肉と骨格の話にします。授業の流れを教科書の掲載順からスムーズに流そうとすると、鶏頭水煮の解剖が来るのですが、これはインパクトが強すぎるので少し後に取っておきます。
骨と筋肉については生徒自身もすぐに体験できるものなので、比較的イメージができています。導入はとりあえず隣の人と腕相撲大会、近くの人とペアを組み腕相撲大会をしてもらいます。否が応でも盛り上がります。クラスのチャンピオン決定戦として代表男子生徒2人で頂上対決をさせてもいいかもしれません。ただし腕まくりが必須です。若者の美しい肉体美が興味関心を高めます。なんか変な感じに聞こえたらすみません。最近流行の武田真治の筋肉体操の動画を見せても良いかもしれません。昔はアーノルド・シュワルツェネッガーでしたが、今はオードリーの春日さんとか、その時に旬なタレントを用いたほうがよさそうな気がします。
ひとしきり盛り上がった後はいつも通りの流れです。教科書を見て重要事項の確認、必要であれば少し板書します。前の時間で低周波治療器までたどり着かなかった場合にはここでお披露目してもいいと思います。最近はシックスパッドのメーカーがジムを開設して、体中にビリビリと電流を流しながら筋力トレーニングをするものがテレビで取り上げられています。自分で体験してきてもいいかもしれませんが、もう筋肉が衰えてしまったのでちょっと効果なさそう…。現実的な方法を探りましょう。
この時間で私が使う飛び道具は、進撃の巨人のボディースーツです。半年前にメルカリで購入し、かなり精巧なマスクも付いていたものです。白衣の下に全身タイツのように着込んで1時間だけやってみましたが、ちょっと危険な香りがしたので、次の時間からは休み時間にトッポイ生徒ややんちゃな男子生徒をトイレに呼んで、協力をしてもらいます。肉感的な実物が見たいので、細マッチョよりもゴリマッチョ系の生徒を選ぶといいかもしれません。ただしボディースーツが入るサイズですが… .
もう一つの飛び道具として全身骨格標本も理科室から運んで持ってきます。私と骨格標本と全身筋肉の生徒が教室に現れるともはや何の授業だかよく解りません。とはいえ、また何をやるんだろうと言う良い意味での期待感は高まっているので授業はかなり進めやすいです。30代までは自分が腕まくりをして大人の筋肉を見せていました。生徒は意外そうな顔して驚いていましたが、やっぱり若い肉体やリアルなボディースーツにはかなわない…と悟って、最近はとにもかくにも1番効果的な道を探っていきます。
話がそれましたが、人体骨格標本も、本来であればそれ一体で十分な説得力があるものです。昨年転勤してきた私は理科室にこういうものが何もないことに衝撃を覚え、急ぎ無理を言って予算計上して今年ようやく納品されました。膝関節や肘関節、手首の関節、肩の関節その他様々な骨の様子はやはり紙媒体よりも立体的な模型が説得力があります。先輩の先生は、ひじやひざ関節に少し丈夫な板ゴムをくっつけて、腱や筋肉の伸縮の様子も再現をしていました。私はまだやれていませんが近々チャレンジします。大型の骨格標本が購入が厳しいようであれば、4~6人ぐらいで使える、50センチ位の高さのミニチュア版の骨格標本でも十分に学習ができそうです。一体5000円から10,000円位だと思いますが、こちらの方であれば輪ゴムとか簡単な道具で筋肉と骨の関係を説明できそうです。
ちなみに私は肘関節で筋肉の伸び縮みの説明をしています。私が所属する研究会で実践事例が報告されていますが、この肘関節のモデルを作った先生の真似をして私も作ってみました。割り箸とミラクルロケットと言うなんだかよくわからないおもちゃをネット通販で購入し、見よう見まねで作ってみました。筋肉の弛緩と収縮の様子がまあまあのクオリティーで再現することができ、地味に満足をしています。20セット作ったので2人に1人で観察ができていますが、先輩の先生からもっと関節の様子と骨の様子にこだわりを持ってとアドバイスをされました。尺骨と橈骨、腕の骨の2本と1本の組み合わせによって捻りや捻りの動作ができると説明がありました。実際にこの分野は実践事例が多いので、もう少しきちんと先人たちの研究を見ておけばと思いました。次回やるときにはセロテープや養生テープの接着部分の改良も兼ねてきちんと作りたいと思います。
次回は鶏の手羽先を使った観察を行います。全国のいろいろな先生方が取り組んでいますが、私の方法も結構自信があります。さあ、スーパーに行って手羽先大量に買ってこようっと。できれば1人1本だけどちょっと予算的に厳しいかな…生物の実習なので2人で1本でも充分かと思います。楽しみだなぁ(^o^)