
ニュートンのインスタ映え実験!
~光と虹の実験~
自分の授業づくりの転機となった授業です。かなり独自な形で授業を組んだので、参考程度で構いません。教科書とかには特に載っていないところからスタートしました。授業を作り出す上でベースとなったのがやっぱり科学史です。光の研究はかの有名なアイザックニュートンが光の性質についてほぼ全てのことを研究し尽くした感じです。ニュートンが考えた素朴な光に対する疑問からその解明に至るまでのプロセスには驚くばかりです。
子供の頃に説明してもらった「なぜものが見えるのか?」から授業をスタートしますが、教科書通りの説明だけでは何か物足りなさを感じたのです。太陽とかランプなどの光源からでた光が物体にあたり、反射して我々の目に飛び込んでくるからものを見ることができるのですが、なんだかイマイチ、ちょっと感覚的ではありません。初めて授業を作ったときに、光の性質を教えることよりも三角定規や分度器を使いながらひたすら作図の練習をさせていたこと、そしてそれによって得られた定期テストの正答率があまりにも低いことに愕然とし、何か違った形で「光の授業」を作らなければいけないという危機感から考え直したものです。
光は日常生活に密接に関連しているのですが、正直な話、当たり前すぎてなんだかモヤっとした印象しか持っていません。小学校では光がまっすぐ進むことや反射すること、光を集めてみてあたたかさを調べるなど、基礎的な学習は済ませていますが、なんだかピンとこないままの状態な気がしました。実際に生徒にお話を聞いてみても「光をたくさん集めるとあったかい」とか「虫眼鏡で何かを焼いた」とかそういう話しか印象に残っていないようです。学習を進めていくと凸レンズで見える像の作図についてはとてもきちんと説明されているのですが、実際に生徒が問題を解くときにはかなり正答率が低く、「作図の仕方が分かりづらい」という話をたくさん聞きました。実際に光学台を使った実験をやってみてもいまいち反応が微妙です。「なぜレンズの距離を変えなきゃいけないの?」とか「スクリーンを動かすのはなぜ?」「何でこんなことしなきゃいけないの?」というように、この実験を行う必然性が子供に共有されていないので苦しい授業となってしまいます。すべては自分の力不足ですが、そんなことを払拭するために考えた授業ですのでなんとなく見てください。
いつも考えていることですが、授業中に心動かすような教材を用意することが大切です。その教材については特にお金をかけたりすることではなく、身近なものにもう一度スポットを当てて、よく見てみると感動するような仕掛けがあるといいと思います。それとやっぱり「すごい」「きれい」「なるほど」「かかっこいい」などの感嘆詞がたくさん出るような見栄えもほしい。それらの感情が一時的なもので終わるのではなく、もう少し深く考えられるような体験の場であって欲しいと思います。学校ならばそれができるのです。
ちなみに「色」については美術の時間で「色相環」とかをやっている時期だと思いますので、そのことも絡めながら色の三原色と光の三原色も授業に組み込んでみましょう。学校で獲得した知識を使う場面を意図的に設定することでも有用感につながるのかなと思っています。