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葉脈標本を作ってみよう!
![葉脈標本つくり.jpg](https://static.wixstatic.com/media/cf8aee_1369cc0a542b4776a5d3b8f01338f494~mv2.jpg/v1/fill/w_61,h_86,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_2,enc_auto/%E8%91%89%E8%84%88%E6%A8%99%E6%9C%AC%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8A.jpg)
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少し息抜き的な実験にしたいです。時期的にはゴールデンウィークも明け、春の体育祭や中間テストが終わった後、位になると思います。テストの前でも全然オッケーですが、葉のつくりで勉強した維管束(師管と道管)を取り出す実験です。私は台紙に乗せてからラミネート処理をして葉脈のしおりを作ります。自然が作り出す生命の美しさとその精妙なつくりを素晴らしいなと感じられる心を作りたいと思います。少し下準備が大変ですが、苦労するだけの会はあると思いますのでやってみて欲しいと思います。
まずはツバキの葉もしくは金木犀の葉を採取するところから始まります。私がこれまで勤務した学校には必ずあったので特に苦労していませんでしたが、少し変わり種としてヒイラギのトゲトゲの葉でやってみようと思った時は、近所を歩きまわり、許可を得て葉をいただいたことを思い出します。若い葉は煮るとすぐ形が崩れますので、緑色が濃く肉厚のものをお勧めします。維管束がある程度丈夫な方が歯ブラシでの葉肉のたたき出しの時に耐えてくれますので肉厚で古い葉を選びましょう。
いろいろなおもしろ実験の本に載っている実験ですが、正直、水酸化ナトリウムの濃度はあまりこだわらなくて良いと思います。個人的には鍋の方が先にダメージを受けて、底に穴が開いたりするので、あまり濃い溶液ではない方が良いです。私の場合はまずお湯で煮て葉をくたくたにしてから、5%位の水酸化ナトリウム水溶液で煮ることにしています。要はお野菜を茹でる感じですね。いきなり最初から水酸化ナトリウム水溶液でがっつり煮る必要はありません。本校には給湯器がありますので、めんどくさい時は給湯器の1番熱いお湯をぶっかけて、葉をくたくたにしてから温めておいた水酸化ナトリウム水溶液の中にゆっくりと入れていきます。この時に泡が立って溢れ出すこともありますので気をつけましょう。何せ水酸化ナトリウム水溶液ですので、危険です。
![images (5).jpg](https://static.wixstatic.com/media/cf8aee_e4cb6dab584244bc8a9d2300ea5cd746~mv2.jpg/v1/fill/w_144,h_201,al_c,q_80,usm_0.66_1.00_0.01,blur_3,enc_auto/images%20(5).jpg)
授業で生徒に提供するときには、十分に柔らかく処理をしただけではなく、水酸化ナトリウムのヌルヌル感も取り去りたいので、つけ麺の麺のように何回も水洗いしてぬめりを取った状態で、300とか500ミリリットルビーカーの中にまとめて入れておきます。1人1枚とかそーゆーケチケチしたことではなく、失敗しても大丈夫な枚数を用意してあげることが合理的配慮かと思います。大人が思ってる以上に子供はきちんとした作品を作りたいと思って実験に参加します。また失敗したときのダメージも我々以上のものがあるので最悪泣いたりします。生徒のために成功するための工夫を十二分にしておきましょう。
葉肉のたたき出しについては、歯ブラシでこするのではなく、ブラシを垂直方向にトントンと上下動をさせることを意識させて指導するとうまくいくと思います。すぐに成果を出したがるのですが、まずは葉肉にダメージを与えて維管束から剥がれやすくする地道な作業がとても大切です。砕いた葉肉は洗瓶などの流水で優しくすすぐようにとってあげることを事前に伝えておいてください。お話を聞いていない生徒は歯ブラシでゴシゴシこすりとり、維管束が悲しいことになってしまいます。とにかく細かく丁寧に指導してください。最近はこれもYouTubeの動画などでやり方が載っていますので、それを視聴させてもいいと思います。
作業中は細かく机間巡視でアドバイスをして回りましょう。その時に心掛ける事は作業の上手い生徒をとにかく褒めまくります。そうすればその子を手本にして自然と学び合いが生まれます。大体1回目ではそんなにうまくいかないので、2枚3枚と繰り返し作業をさせていくと生徒自身もコツがわかり、とても美しい葉脈標本を作ってくれます。標本のラミネートの前には乾燥処理が必要です。私はホットプレートを用意し、生徒さんがピンセットでつまんで持ってきた葉を牛タンのように愛情込めて表面→裏面と5秒程度加熱し、水分を飛ばします。ジューっという音とともに、水分が飛ぶ様子をめっちゃ喜びます。中学校1年生とても純粋です。
十分に乾燥したら、ラミネートフィルムに挟み、必要ならば台紙に名前を書き、きれいにレイアウトをした上で圧着処理をします。小さいサイズのラミネート作業の場合、機械に巻き込まれてしまうことが多々あったので、最近は学校に迷惑をかけないように、アイロンを使って手作業で圧着しています(理科室で小型のラミネーターを購入してもいいですね)。思ったより手間がかかったりしますが、手作り感があって「ありがとうございます」と言いながらできたしおりを受け取ってくれるので、良い関係性が築かれるのではないかと思います。あえて行う一手間も大切かなと。出来上がりはなかなか感慨深いものがあります。改めて自然の作り出す美しさに気づいてくれる子供たちも多く、楽しい授業をすることができました。小学校小学生対象の体験授業でもオススメのものですので、ぜひ指導技術だけではなく、ラミネート技術等を磨いて自分のものにして欲しいなと思います。